子どもはうまく心を伝えられない

詩 ポエム 

好きなので、ときどき読みます。

好きな詩人は、谷川俊太郎さん、覚和歌子さん、長田弘宮沢賢治、そして

萩原朔太郎

高校生の頃、感情喪失症的鬱屈状態にあった時も、

朔太郎の詩は乾いた心をこんこんと静かにのっくしてくれました。

 

で、今日ご紹介したいのは、子どもたちの詩です。

国語の授業で詩の創作をしたことがあります。

部屋の整理をしていたら、4年生の子供たちの詩をまとめたものが出てきました。

 

子どもの感性ってすごいなぁと思った記憶が、よみがえってきました。

少しご紹介します。

 

花がさいている

 

花がさいているときれいだな

心がすっきり ぽかぽか

 

花のまわりは明るいな

花はもう一つの太陽のよう

私をなごませる花

みんなをなごませる花は

 

やさしい心でさいている

 

※本当は詩には同じ作者の絵があるのですが、これをお見せできないのが残念です。

この作者は見えないものが、見える子。同じクラスで怪談話大会をやったことがあります。

「本当に怖いものを見たり、聞いたり感じたりした人、発表して。」

男の子たちが(大体お調子者たちですが)次々発表するのですが、嘘くさい。

でも、この詩の作者はまじめな女の子で、これは本当なんだろうなと思える話でした。

きっとこの子には、花のまわりが本当に明るく見えていたのでしょうね。

 

次はひょうひょうとした感じの男子の書いた詩です。

 

ひょうたん

 

いつも風にふかれ

ひょうたんは動いている

いつも外にいて

風にのってゆれている

ひょうたんは

あつい日も寒い日も

外にいる

 

ひょうたんを

見ながらいつも

一日が始まる

 

※この子の絵もいいんですが、残念です。

この子の家のベランダ(かな?)には、ひょうたんがつるしてあるんですね。なんでひょうたんなのかな、きっとその時聞いたと思うのですが、忘れてしまいました。

今日の最後にもう一つ

 

店が一つなくなるだけで

 

人でにぎやかだった明るい店が

一つなくなった

店が一つなくなるだけで

今まで明るかったほかの店が

どんどんくらくなる

道を歩いている人たちも

さびしそう

ぼくもさびしくなった

 

※この子は自分の住む街が好きだったのだろうな、と今思います。この男の子が店が一つなくなったことで、こんな気持ちを抱いていたなんて、この詩を読むまで知りませんでした。

今の子供たちのことを思います。

子どもはうまく自分の気持ちを伝えることができないけれど、きっと今、さびしい思いを抱えていたり、周りの大人を心配していると思います。

早く学校が再開されますように。