みんなちがって・・・金子みすゞ②

金子みすゞが、

「みんなちがって・・・」と表現した、

そのことを知りたいと思い、考えました。

 

この宇宙に同じものがあるのだろうか。

同じことが起こるのだろうか。

すべてのモノコトは、その固有の在り方で、固有の宇宙を、謳歌している!

けれど宇宙は、けっして個では、在り得なく、

細やかに細やかに、限りなく細やかに、

共鳴し舞い上がり、光満ち、重なり、絶えず、変化し、やまず。

ちがいが共鳴し、歓喜する世界の中に、みすゞはいたのだと思います。

 

しかし、同時に彼女は、日本という社会、村という世間に生きる女性でした。

社会・世間においては「みんなおなじ」は事あるごとに求められる、かなり根

深く根強い要求だと思います。

本当は一人ひとり全く違うのに、「みんな同じなんだよ。」と言われ続け、同じであることを求められ続ける。

金子みすゞの死については、結婚した相手に大きな原因があったと言われているようですが、この時代、女性の金子みすゞが、自分の感性を保ちながら世間の中で生き続けることは、著しく難しかったと思います。

だから、その稀有な感性を保つために詩を書くことがどれほど必要なことだったか。

才能を認めてくれる、共鳴できる人たちがどれほど大切であったか。

しかし、金子みすゞは、詩を投稿すること、詩人仲間と交流することを禁じられてしまいました。

 

「みんなちがって」にも「みんないい」にも金子みすゞ歓喜と、そして絶望を見ることができます。

 

みすゞの生きた絶望を、歓喜を、感じとることができたら、私にとって稀有なこと。

 

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