ポエタロ
ポエムタロットカードのことです。
稽古仲間の、詩人 覚和歌子さんたちが作った素敵なカードです。
しかし、すみません。今日の主役ではないのです。ごめんなさい、覚さん。
遠からず、主役になります、お許しを。
あら、
じゃあ、なんで最初にポエタロって書いたんだよ!
声が聞こえてきます。ごもっともでございます。
実は悩んでいたのでございます。
日本刀のことで。
習い事のお師匠様が、「日本刀を持つべし。」と、おっしゃってから、かなりの時間が過ぎて過ぎておりました。
ようやく
黙認
という連れ合いの了承が得られた時期(ここまでが大変でした)でございました。
さらば、いかなものをを所有したろうか。
その悩みの段階に踏み込むことができた時期でございました。
これはこれでたいそうな悩みでございます。
日本刀はかなり高価なもの、そうそう何振りも持てるものではございません。
金額をにらみながら、いつの時代のどなたの作ったものがよろしいか、
悩んでおりました。
実は私、日本刀という文化を愛してはおりますが、マニアではございません。
ずっと、手になじむものを探してまいりましたが、知識はございません。
実際に手にしたときに、
その作った方のお人柄や、時代の空気に包まれることが実感できるものを、
探してまいりました。
そんなある日、刀と出会わせてくださいと念じ、ポエタロカードをひきました。
出てきたカードは「空」。
はぁ、「空」?
日本刀と空???
「空」の解説を読んでも、メッセージが読み取れません。
????????????
? のオンパレードでございました。
そんなある日、某刀剣店のホームページに、青く光る日本刀の写真がありました。
これはもしかしたら「青空」?
調べてみると、江村という銘の刀でした。
戦時中、岡山刑務所の所長であった江村繁太郎という人が、受刑者の生きがいを創造せんがために、刑務所内で鍛刀を行っていたということでした。当時の国内最大の鍛刀所だったそうです。
その刀が江村刀でした。
その話を知った時、私はこう思ったのです。
囚人にとっては、空だけが世間と唯一つながる空間だったのではないか。
鍛刀作業の休憩時間に仰ぎ見る空に、どんな思いを描いたのだろうか。
きっと、その思いを鍛刀に込めたのだろうな。
そう思いいたった時、私の中で、「空」と「日本刀」が一緒のものになりました。
江村刀を持つとき、刀から春風駘蕩たる風格であったとされる、
江村繁太郎の温かさと、
それに応えようと鍛刀に励んだ受刑者の澄んだ思いが伝わってくるのでございます。
良い刀に出会いました。