出かける ~その1 太陽に向かって

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知らないところを歩くのが好きだ。

朝日に向かって歩く、というのをやったことがあった。

朝家を出て、太陽に向かって、ひたすら歩く。

お日様に一直線に歩いていきたいが、人には道路という常識があるので、それに従う。

分かれ道に出会ったら、面白い方に行ってみる。

あまり知らない場所にたどり着いたら、こっち行ったらわからなくなるだろうな、という方を選ぶ。

 

ある日のこと。

歩いて行ったら、初任の時の学校のエリアにたどり着いた。

家庭訪問で、歩いたこともある。バイクや自動車で何回も行き来した地域だ。

「先生、うちで建前をやるんだよ。来て。」と誘われた家、

当時でも、建前をやる家は少なく、

その教え子の家の建前がその地域では最後だろうということ。

行けないまま、どんな建前だったのか、その子に聞いた。

 

その家が、30数年たってまだあった。

その子はもう家にはいないのだろうな

 

その子のクラスの担任だった時、

その子の住む家の近くには手つかずの土地がたくさんあって、

クラスで散歩に出かけ、遊んだこともあった。

原っぱがあった時代。

しかし、風景は大きく変わっていた。

 

大きな何かが私の胸にやってきたが、太陽に向かって歩くことにした。

 

そのままずんずん歩き、昼を過ぎ、やっと、完全ミシラン?まで

たどり着いた。

完全見知らん?、そう、いまだかつて歩いたことのない道。

これだ!これだ!

歓喜とともに、さらに行こうとした私は、歓喜の中で、自己保存を図る。

「もお、そろそろぉ、もどろ かな」

 

そうなのだ、いききってしまわない、それがわたしのいきるみち。

どおしゅりゃいいんだ、まあ、それが私のいきるみち。

 

帰り道は、あてずっぽうに、バスに乗り、見知った鉄道の駅に着いた。

あるこう!あるこう!わたしは元気!

勢い増さりて我再びまず一歩

 

たのしい散歩でございます。