平和な時代。
今から40年以上前のこと。
(40年!ちょっと、感想を言いたくなった、40年って、あっという間、なんだな)
( 失礼しました)
40年以上前、
私は高校生。
私の通っていた高校は、
結構ユニークな学校で、
3年生の時だったか、
技能教科は選択で、
私は美術を専攻したのだけれど、
ユニークな学校には、
ユニークな教師がたくさんいて、
美術の先生も、とても、ユニークでした。
なんとなれば、
授業は自由課題。
1年間の授業時間を使って、何か一つ作品を作る。
なにを作ってもよい、と先生がおっしゃったので、
私は「丸太舟を作っていいですか?」
と聞いた。
先生、「まるたぶね????」
私、「先生、何を作ってもいい、とおっしゃっていましたよね?」
しばしの沈黙の後、先生が何とおっしゃたのか、覚えてはおりませんが、
結果、わたしは、丸太舟つくりを始めたわけです。
そんなのんきな学校の、のんきな授業でした。
材料は、たまたま、学校の中に丸太があって、
それを、拝借。
斧がなぜか学校にあったので、借用。
丸太に斧を入れ始めたのだが、
斧を入れても、あまり削れない。
ここまでも、今から思うとすごいが、
ここからが本題。
あぁ、
今思うと、なんと牧歌的で、良き時代だったのだろうか。
切れん切れん、いかんな、
と思った高校生の私は、
斧を研いでもらうところを、探しに、
斧を片手に、街に繰り出した。
もちろん授業で使う斧を、研いでもらうのだから、
授業中にである。
おおおーーーい、飲んだくれ!!
お前、高校生の頃から酔っぱらてたのか!
いや、さすがに、まだ、飲んだくれではありませんでした。
じゃあ、おまえ、
授業中に、斧を片手に、街に繰り出したのか!しらふで!!
あたりまえじゃございませんか、高校生が酔っぱらうわけございません。
って、そんなことじゃあなくてさ、
いいかい、授業中だよ、斧だよ、
もちろん斧の刃の部分が、見えないように袋かなんかに包んで、
鞄か何かに入れて運んだのだろうな。
いやぁ、それですよ、それ!
斧をそのまま、手にもって、学校を出たのであります、
そしたら、とちゅう、やっぱり、おまわりさんに、聞かれました。
君君、そんな物騒なものをもってどうしたんだ、
もちろん私は、授業で・・丸太舟を・・・斧が切れなくて・・・
と、一連の事情を、おまわりさんに説明しました。
おまわりさん曰く、
そうか、○○校はやっぱりユニークだなぁ、
でも君、やっぱり、斧だからね、袋にいれて持ち歩かないと、
やさしく諭された記憶があります。
はぁ、
それももっともだ、という高校生としての、
良識を持ち合わせていたわたくし、
わかりました、戻ります、と言って学校に戻った。
おまわりさんが、この近くには、
斧を研いでくれるところはないと思うよ、
とアドバイスをくれたこともあって。
はい、わかりますよ、いくら私でも。
今なら補導、停学、悪くすると、退学、鑑別所、
でしょう。
なぜ、あの頃はあんなに、世の中が、ゆったりしていたのか。
まったくもって牧歌的な時代でありました。