サカキナナオという人がいた。
詩人だ。
こんな詩を書いている。
「これで十分」
足に土
手に斧
目に花
耳に鳥
鼻に茸
口にほほえみ
胸に歌
肌に汗
心に風
これで十分
・・・・・・・
いい詩だと思う。
ナナオさんは、
1923年生まれ
私があったのは、
1980年代前半、
ナナオさんが70歳前の頃だったと思う。
無農薬の八百屋をやっていた
アチくんが、
ナナオがくるよ、
こない?
と誘ってくれた。
ナナオさんやアチくん、そのほか何人かと、
まだ自然豊かだった、流山を散歩した。
30数年前のことだ。
細かいことは忘れてしまったが、
ナナオさんが自慢していたことが心に残っている。
彼が自慢したこと、
それは、
「きのうね、うんこしたら、きれいなうんこだったんです、ねんのため、ちょっとふいてみたけど、なにもついてなかったのよ、うん、いいでしょ」
細かいことは忘れてしまったけれど、
そのようなことを言っていた。
すごいな、このひと。
ナナオさんの、詩は読んでいたし、
会った時から、
その雰囲気の途轍もなさに、ぽわーんとしていた私ですが、
このうんこ話には、
あこがれた。
ちょうじて、
もう少しで、当時のナナオさんの年齢かという、
いい歳になった私は、
下痢男だ。
あこがれのおとこは、
はるかかなただ。
わかってるってぽじさん、
のんだっくれに、きれはない!
それはしょうちなので、
私は迷っている。
きれをめざす・・・・・
そのことが、わが人生にとって、
何より大事なことではないのだろうか。
ナナオさん、
あなたのキレに憧れた、
わたしは、
30数年ぶりに、
あなたとの、
ウン迷の、出会いを、
思い出したのであります。