来し方④ ~ 私は世界を取り戻した、と思った

 

中学生になった。
世界のメンバーが変わった。これはチャンスだ!

そう感じた私は積極的に人の輪に入ろうとしたが、どこからか小学校の時の情報は伝わる。
「お前、やっぱり(釣りに)来なくていいよ。」「なんで?」「お前、いじめられていたんだろう…」
そんなふうに、徐々に世界は元の木阿弥になりつつあったが、小学校の時のように露骨にいじめられるということはなくなった。

理由はレスリング部に入ったことと、勉強がある程度できたということだったかもしれない。

 

中3になり、クラス替えがあり、周囲の私を見る目が変わっていることに気がついた。それは受験ということが大きかったと思う。
そう、中3生にとって、勉強ができるということは、大きな評価点だったのだ。
レスリングの試合で勝ち、全校集会で表彰されたことも評価点になった。

私は嬉しかった。

友達もできた。勉強ができ、性格もいい奴だった。
自分の机の周りにクラスメートが集まってくる、なんてことがあるんだ・・・
俺は幸せだった。
(空手は・・・マスオーヤマ通信スクールを申し込んだが、長続きしなかった)